数年前に家を建て替えた時に、2世帯住宅のわれわれ世帯のリビングの上部に「ロフト」を造った。限られたスペースの中で、それぞれ専用スペースを持とうと計画したのだ。
相棒の小部屋は、バス・トイレに隣接しており、主にお化粧するスペースであるが、わたくしの方は、本や趣味のものを並べて、休日はビールでも飲みながら寛ごうかと思い、欲しかった「ロフト」を思い切って造ったのである。
ロフトには「梯子」を使って登る。登ると結構高さがあり、おっちょこちょいのわたくし故、酔った時は特に注意だ。
梯子は、普段は壁にかけてあり、登るときは「よいこらせ」とロフト入り口の金具にひかっけるのだ。
最初はうれしさ、物珍しさで、ロフトに登っていたのだが、やがて梯子をかけるのがめんどくさいからか、次第に足が遠のいてしまったのだ。どこの家でもよくあることだろう。
この連休、久しぶりにロフトに登り、片づけをした。本や物が乱雑になっているのが気になっていて、以前から、今度の休日こそ整理しようと思っていたのだが、雨で外出をあきらめた今日しかないと思ったのだ。
あるわあるは。本に雑誌、山登りの道具、ブリキのおもちゃに、CDステレオ。中学生の頃に買ったラジカセに、家で使っていた黒電話もあるし、なぜかウクレレにクラリネット、ケーナといった楽器類もあるのだ。「平成」に元号が変わった時の新聞の「号外」など赤茶けてしまっているが、感動ものである。
本や雑誌もさることながら、オーディオや車のカタログもけっこう溜め込んでいたので、つい懐かしさで見始めてしまった。それにしても、捨てられない性分だ。
(もう時効だろうからと、カタログをパチリ。)
オーディオや車のカタログは、大部分が中学生から高校生の頃に集めたものだが、ラジカセやステレオの値段をあらためて見ると、当時の物価を考えるに驚くほど高いのだ。LPレコードのオートチェンジャー・プレーヤーなんて機器もあったのだな。
なかには、50万円近いアンプやプレーヤーがあったり。そういえば、あの頃は、みんな同じようにラジカセやステレオにあこがれて、中には自慢げに中学校にラジカセ担いで来た同級生もいた。
そんな道草をしながら、のんびりと片づけを続けたのだが、本・雑誌や古いリュックなどを捨てることにして、随分すっきりしたスペースになった。
これなら、ビール飲みながらの読書もOKである。
それにしても、古いカタログは捨てれない。「歴史的文化遺産」と勝手に決め込んだのである。