先日、「蜘蛛が嫌い」という話になった。
蜘蛛どころか、わたくしの相棒は虫全般が苦手のようで、先日、寝室の梁を平べったい黒い虫がモゾモゾ歩いていたのを見つけたら、わたくしを置き去りにして、さっさと別の部屋に布団を移動させてしまったのだ。
11年かけて築きあげた夫婦の絆が瓦解するのは実にあっけなかった。
確かに、虫の中でも、蜘蛛は独特の雰囲気があり、親しみ易さはない。「私は蜘蛛が好き」という人にはあったことがないので、標準的な意見かもしれない。
そういえば、作家の開高健さんも「蜘蛛が苦手」と本に書いていたのを思い出した。
辺境の地をさまよい歩き、怖いものなどなさそうな冒険家の氏であったのだが、やはり蜘蛛は別格なのだろうか。
今朝、2号農園に水をあげようと外に出たら、玄関の前にカミキリ虫が一匹いた。相棒も昨日見たというので、どうやらわが家が気に入ったようである。
検索してみると、「ベニカミキリ」という種類のようだ。カミキリ虫といえば、昔は「ゴマダラ」とか「ミヤマ」とか黒っぽい身体に鮮やかな模様のものが多かった。こんな南国仕様のカミキリは見たことがなかったのだ。
やはり温暖化の影響であるのだろうか。
蜘蛛をはじめとした昆虫類や、ヤモリのような爬虫類の小動物、全てわが家を守ってくれていると思っている。
彼らもまた、大事な家族なのである。